左手
【左手の指】
チェロは、ロー・ポジションで音階を弾く際の左手の指の置き方パターンは基本3種しかない。
(-は半音、--は全音)
① 1-2--4
② 1--3-4
③ 1--2--4
③は拡張と呼ばれるが、これだけ取り方が、2パターンある。
3-1)2指を軸として1指を広げる
3-2)1指を軸として234指を広げる
例えばG線1ポジに構えた際にAs--B--Cなら「3-1パターン」だし、A--H--Cisであれば「3-2パターン」。
僕は3-1パターンの方が楽。なぜなら左手における親指は2指の裏に添えるように置いているので、3-1パターンは親指移動が絡まないから。
3-2は1指をそのままにしつつ親指を半音分移動する必要がある。そうしないと234指は移動できないので。
実は僕は3-2パターンが苦手。4指が少し低くなる。分かっているから、肘の位置で修正している。チェロと出会って17年。5年間ほどブランクがあるとはいえど、これはよくないよな。とこのブログを書き始めて改めて思った。タイトルを「B級チェリストへの道」に変えようか。
なぜこれを書いているかというと、バッハ無伴奏2組ジークの最後、Dメロディック・マイナーの下降音型の音程でG線のCisがちょっとだけ低いから。速いパッセージってこういうの露骨に出るのよね。
ほんと課題だらけだなー。
【肘の位置】
指のパターンとしては以上だか、左肘の位置でも音程は変わってしまう。高音弦を弾いてる位置のままC線を弾こうものなら4指は必ず低くなる。初めはハッキリ意識しないとできない。
それに気付かないでごまかしていると、同じ左手の形は維持できず、音程が安定しないチェリストの出来上がり。
はい。私です。気付くのも時間かかったし、治すのも時間かかった。
【親指の位置】
それと親指が1指側に少し反っている奏者を見かけるが、基本通り2指の後ろに持ってくるよう直さないといけない。あれでは腕の自重はかからない。
そして自重がかからない分、握る。握っている押弦は相当に甘く、音程の輪郭はボヤけてしまう。特に4指。ロクに音を鳴らせないし、低い弦を弾くのが苦手な場合は原因の多くがここにある。何より疲れてしまう。休憩の少ない曲は1曲通して弾けないと思う。
また、その原因を右手に求めてしまったら悲劇だ。もっと圧を! といって、無限地獄へハマるだろう。
音質は左手でも相当に変わる。A級チェリスト達が聴かせてくれるふくよかな低音は、この左手の押弦がしっかりしているからこそできるワザだ。多分。
またポジション移動がままならなくなるのも、握っていることによる弊害のひとつ。
はい、これ全部私です。これも治すのに苦労した。中々親指が2指の後ろに行ってくれないんだもん。指を指板に対して垂直に置くのではなく、地面に対して平行(すなわち指板に対しては斜め)にするとできると思う。電車の吊り革にぶら下がるようイメージで自重をかけてみよう。
まー、ホントかどうかは知らないけど。経験則の話。