楽曲アナライズは超大切
僕はチェロ四年目で弦楽四重奏に取り組んで演奏会をした。それ以来弦楽四重奏のトリコになってしまった。
が、周りは上手い人ばかり。技術では当然劣るし、迷惑もたくさんかけてしまう。そんな中でできるだけ、自分のパフォーマンスをよくするにはどうすればいんだろうと考えてきた。
もちろん、楽器の練習はするんだけどそんな劇的に上手くなるほと甘くない。
そこでアプローチのひとつとして、楽曲アナライズという方法を身に付けた。これによって、今どういう音を出すべきか、どの音を聴かせるかとかそういう事が分かり、演奏にメリハリが付けられるようになった。
大まかにいうと3つだ。
①楽曲の構成を把握
②フレーズのモチーフを把握
③伴奏音の把握
①楽曲の構成を把握
スコアなんかを買うと最初に解説が付いており、これはソナタ形式で〇〇小節からは展開部〜なんてよく見る。
これを把握しよう。自分が楽曲のどの部分を弾いているかというのは凄く大事。同じffでも色んな意味合いがある。そういったことを認識すると曲全体を通した視点持つことがてぎ、演奏がぎゅっとしまる。
弦楽四重奏なんかに取り組むときは四人でシェアするととても効果的。
②フレーズのモチーフを把握
モチーフっていうのは、分かりやすい例で言うとベートーヴェの運命のデデデデーンという音型のこと。ほとんどの曲は必ずモチーフがあり、ロマン派以降の曲はこのモチーフがいくつもあり、複雑に絡み合うことが多い。
モチーフを把握することにより、このフレーズは少し目立たせるなどの小技が使えるようになる。また練習する際にポイントを絞ることもできる。
③伴奏音の把握
チェロは伴奏が凄く多い。なんとなく弾いているのと、その音がどういう機能を果たしているのかを知ってるのでは全然音の説得力が違うはずだ。
まず調性を把握しよう。クラシック音楽はポップスと違って調性が頻繁に揺れ動くからだ。
次に和音を把握しておこう。これは知識がいるが、古典派までだったらそんなに難しいことはしていない。ハイドンやモーツァルトなんていい教材になる。
自分の伴奏フレーズの横の動きが和音の流れに対してどういう機能を担っているのかを分かっていると、とても音が取りやすい。メリハリも付く。
曲を弾いていて、ここよく分からないって箇所はあると思う。そういうのも解消される。
ポップスを弾く人はある程度和声の知識があるケースが多いが、クラシック奏者のアマチュアは皆無な人も多い。素養はあるのだから、少し興味持てばいいのになってよく思う。
バッハ無伴奏とかに挑戦するならば、和声分析は絶対欠かせないし。
最後に自分がやっていてよかったことで、アレンジがある。なんかの曲を弦楽四重奏なんかにアレンジするの好きなんだが、楽曲アナライズに凄く役立っている。
例えばドゥナーミクやアーティキュレーションを指定するとき、ブラームスだったらどうしてんだろ? とか。
松葉記号を指定するとき、ここから始めるとこんな感じかな? ワーグナーだったらどうなんだ? みたいな。
そうやって大作曲家のスコアを漁っているうちに、ああ、この部分はこういうつもりで書いたんだろうなってのが少し分かるようになってきた。
多分並の人よりはここらへんの感覚鋭いと思う。問題はそれを音に反映できるのかってところなんだけど。。
色々書いたけど、曲に取り組む際は色んなアプローチがあるよってことで。