A級チェリストへの道

チェロの上達のちょっとしたスパイスに

本番終わった

最近愚痴ってたカルテットの本番が終わった。所属しているオケの発表会に近いコンサートで、カルテットも抜粋の単一楽章。

 

ホールがあまり室内楽向きではなく、個々の音のハーモニーを感じ取りづらかったので、録音を聴くまではどうだったか分からない。

 

演奏していて、3つ良いことがあった。

1.本番だけリタルダンドの具合が絶妙でとても曲に適している雰囲気が出た。

2.1stヴァイオリンのppが素晴らしかった。これも本番だけ出たもの。

3.それっぽい響きの箇所がいくつかあった。これも本番だけ。

 

練習以上のことは本番ではできないと僕は思っている。ただ、今回の演奏は練習では全く意図していなかったけど、やってみたらとても良かったことばかり。ホールの響きに適応して弾けたからだと思う。多分。

 

ここから思ったことは、たまには練習でもホールを使ってみるのも手かなぁと。区民ホールみたいのは安いし、平日の夜だったら予約もしやすい。

 

もちろん課題も残った。

1.弾けない人をどう扱うか

2.音量バランス感覚はどう養うか

 

どちらも自分のことというより、人とどう接するのか。

 

1.弾けない人の扱い

弾けない人というのは、技術的、音感的、音楽的要素のこと。

これからも一緒にやっていくメンバーならちゃんと伝えて、解決ソリューションも示す。ただ、そんな人とはアンサンブルしないのが一番良い。

今回みたいな単発の場合はどうだろう。直して欲しいことは山程あったけど、伝えて理解してもらう作業がシンドい。自分の中に無いことを分かってもらうのは難しいし、受け入れてもらうには人間関係の構築もしないとならない。

今回だけでサヨナラの人にそこまでする労力はかけたくないから、伝える作業を真剣にはやらなかった。どうすればベターなのかは今でも分からない。

 

2.音量バランス感覚

これはどうなって養うのか。編成でも出す音は変えるし、ホール次第でも変える。でもその変えるという判断は、自分の感覚値だ。

今回のカルテットメンバーの一人はアマオケ弾きなのだ。ドゥナーミクを強弱記号として捉える。ホールの一番奥には到底届かない蚊の鳴くようなpp。豊富な響きのmfで、釣り合いの取れない音質を出す。旋律と同じ動きの伴奏だけど、弓の使い方も旋律と合わせない。多分何も回りの音を聴いてないのかも。いや、自分の音も聴いてないような。とにかく一言で言うと無責任サウンド。ハーモニーの一旦を担って弾いてる感性ではない。

これらも全ては感覚の欠如だと思う。どうやって養うんだろうか。

 

ハーモニー感覚も音量バランス感覚も旋律の感覚も、本来誰でも持っているものだと思う。

完全5度を聴いたら気持ち良いと感じる。隣人が大声で話していたら、自分もある程度音量を上げるはず。カラオケに行ってポップスを歌えばサビは気合が入るし、大事に歌いたい箇所もあるはずだ。

 

それが、何故楽器を構えると消失してしまう? 僕の中では解は出ていて、教育だと思っている。

こうしなさい、ああしなさいで教わって、自発的感覚を発信できない人になってしまう。音楽は生み出す行為なんだけど、解が何処かにあって誰かに教えてもらうものだと思っている。なんか日本教育そのまんまだね。

 

音楽だけは、もっと自由に赴くままにやって欲しいなぁ。