A級チェリストへの道

チェロの上達のちょっとしたスパイスに

『楽譜を読むチカラ』のすすめ

『楽譜を読むチカラ』(音楽之友社、ゲルハルト・マンテル著、久保田慶一訳)を読んだ。

ソロやカルテットをやるアマチュアにおすすめしたい本で、感想を書いてみる。

 

「楽譜を演奏するのではありません。まず楽譜を正しく読み、それからいろんな方法でそれを解釈しなさい。そうすれば、理想とする演奏が見えてきます。そしてこの理想とすべきものを演奏するのです。」(本書引用)

 

上記の言葉を主題として、パラーメータ(リズム、ドゥナーミク、アーティキュレーション、テンポ、音色)ごとに細かく説明や、具体的ノウハウを書いている。

例えばメトロノーミックな演奏とかバカの一つ覚えみたいなクレッシェンドの演奏がなぜ退屈であるかを言語化している。すごい。そしてどうやったら改善するかをパラーメーターごとに事例を出しており、楽譜を読み込む際に非常に参考となる。

 

もしかしたら、専門的に音楽や演奏を学んだ人にとっては当たり前の内容かもしれない。でも、多くのアマチュアの演奏にとって糧となるコンテンツが詰まった宝庫のような本だと思う。

 

指揮者はスコアの読み込みで仕事の8割が終わったと聞いたことがある。室内楽プレイヤーも一緒だろう。プラス演奏があるので5割くらいかもしれないけど。多くのプレイヤーが演奏8割の比重だけど、どう演奏するのかを決める作業の方が大事。そのどう演奏する、したいの欲求を叶える為に楽器を練習するのだ。

なんとなく日々に追われて音符だけを自分の引き出しの範囲の中の解釈でなぞるだけではもったいない!