A級チェリストへの道

チェロの上達のちょっとしたスパイスに

作曲家の生きた“時代”を知る

先日、You Tubeのおすすめに以下動画が出できたので、軽い気持ちで見た。

 

映像の世紀プレミアム「運命の3つの都」パリは燃えているか

https://youtu.be/n5K9v58CztA

 

パリ、ベルリン、ニューヨークの20世紀の歴史を貴重な映像付きと解説で紐解いていくものだ。

ちょうど僕が今取りかかっているラベルの弦楽四重奏曲ができた1903年あたりから話が始まり釘付けになった。

 

1900年前後のパリ。思ったより凄い。324メートルもの鉄塔であるエッフェル塔が建築家エッフェルに作られたのが1889年、地下鉄も開通し、動く舗道も導入されている。街並みはほぼ今と変わらず、車がないくらい。文化の中心で、音楽、絵画、文芸等のあらゆる分野のアーティストが集まっていたことだろう。パリで活動しないとお話にならない、そんな気分が蔓延していたことは容易に想像できる。映像付きだとより実感できた。

そんな時代にラベルは生きて、今耳にできる数々の名曲を生み出している。

そこまで調べてないから想像の世界だけど、当時パリを席巻していた印象派後期印象派の作品を目にした時どう思ったのだろうか。もしかすると、これはそれまでの長調短調の音楽では表現できない。どうしょう。みたいな感じで教会旋法による作曲を思い付いたのかも。

同年代のピカソらとサロンで話をして、新しい表現への刺激を受けたのかも。

エッフェル塔のレストランでシャンソンを聴いたり、マタ・ハリのような美女のダンサーを見るような生活であの旋律や激しいリズムが自然に出てきたのかも。

 

想像は尽きない。

 

クラシック音楽に取り組む際、時代背景を知りましょうとはよく言われることだが、こういうことだったのか。パリ万国博覧会のことは教科書に書かれているけど、映像を見ることでリアリティ感が湧いた。

ラベルの生きた年代は知っていたけど、こういう“時代”を過ごしていたのは知らなかった。

 

おもしろい。もっと色々知りたくなる。ラベルの弦楽四重奏曲を弾くにあたって具体的にどうリンクするかは分からないけど、作曲家の生きた“時代”を知るのはとてもおもしろい。