A級チェリストへの道

チェロの上達のちょっとしたスパイスに

スコアリーディングを学んでみる

室内楽をやる上で必要なことの一つにスコアリーディングが挙げられる。

 

コンダクターがいれば組み立てはコンダクターの仕事だ。だが、カルテットなどはプレイヤー1個人が組み立てる必要がある。

自分の楽譜だけ読み取っていては、到底楽曲を弾きこなすのは無理だろう。

 

ではスコアリーディングで何をすればよいのか。僕は全く独学なので、専門の本を読んでみようかなと思っている。

 

今事前にやっている作業を挙げてみる。

1.曲の形式の分解

2.調性の把握

3.主題の把握

4.モチーフの把握

5.自分の伴奏音の和声構造の把握

6.曲全体を通したドゥナーミクの使い方の把握

7.作曲家の時代背景の把握

8.作曲年前後の歴史の把握

 

一応これだけで、曲を立体的に捉えることはできていると思うけど、きっともっと色々あるんだと思う。この作業をすると、曲練習を始める前から曲はインプットされるからとても楽だ。作業自体はとても時間かかるけど。

 

1.2は調べて一覧表を作る。ソナタ形式が多いからこの作業しないと全く構造が掴めず、曲を立体的に捉えることはできない。スコアとパート譜にも各部の始まりはメモる。「提示部、第一主題」「展開部1」「コーダ」みたいに。

 

3.4はマーカーを使ってスコアに書き込む。第一主題は赤、第二主題は青、モチーフは黄色や緑みたいな。結構カラフルになる。

気を付けたいのは、聴いてるだけだと見落とすフレーズがある。モチーフなんかは、反行や拡張されたりするから耳だけだと認識できないことが多い。

この作業をして共有しないと、出すべきフレーズが分からないからこれもマスト。

 

5は和声知識が必要だが、ロマン派初期あたりまでは楽勝。僕はロマン派後期以降になると難しくてもうよく分からない事が多い。

この作業は純正ハーモニーを作るなら必須。大事な音(第3音とか第7音、転調の手前は特に)はスコアにボールペンで丸を付ける。

 

6は作曲家ごとに癖があるから見た方がよい。ベートーヴェンはppからffまでしか使わないし、モーツァルトは何も指示してくれない。ブラームスのスタッカートテヌートは額面通りにスタッカートを付けてはダメだ。

その作曲家の色んな作品に触れ、色んな演奏を聴くのが手っ取り早いがとても大変な作業。

 

7,8は単純に面白い。ラヴェルのカルテットが作られた時代のパリはエッフェル塔がそびえ立ち、鉄道が走っていて、動く歩道がある。あらゆるジャンルのアーティストが集まり盛んにサロンが開かれていた。

 

スコアリーディングを本格的に学んだら、勉強会でも始めれば小遣い稼ぎになりそうな。